飲食店やカフェ、コンビニでの注文。
「食べたいものが決まっているのに、言葉が出ない」「店員さんに注目されるのがつらい」──吃音がある人にとって、注文の場面は日常の中でもハードルが高い場面です。
この記事では、吃音のある方ができるだけ安心して、スマートに注文をこなせる方法やコツ、心構えを紹介します。
また、もしうまく話せなかったときでも落ち込みすぎないためのヒントも盛り込んでいます。
注文時に感じやすいプレッシャーと吃音の関係

注文=「スムーズに話さなければ」という思い込み
- 待っている人が後ろにいると焦る
- 注目されている気がして緊張する
- 噛んだり詰まったりするのが「迷惑」と思ってしまう
吃音がある人ほど「早く正確に話さなきゃ」というプレッシャーにより、かえって言葉が出にくくなる傾向があります。
でも実際には、多少詰まっても気にしていない店員さんが多いですし、相手に伝われば大丈夫。
完璧じゃなくてもいいんです。
吃音でも安心して注文するコツ

言いやすいメニューを先に選ぶ
吃音が出やすい言葉を避けるだけでも安心感が違います。
- 自分が比較的スムーズに言いやすいメニュー名を選ぶ
- 言いにくい「カタカナ語」や「語頭が詰まりやすい言葉」は避ける
- 迷ったときは「これください」と指差しでもOK!
注文文を“パターン化”しておく
スクリプトを作って、脳内で練習しておきましょう。
- 「〇〇を、ください」
- 「〇〇、お願いします」
- 「テイクアウトで、〇〇ひとつ」
事前に「このお店ではこう言おう」と決めておくと、脳が“自動化”してくれて詰まりにくくなります。
ゆっくり・深呼吸・タイミングを意識
話す前の“間”をどう使うかが大切です。
- 並んでいるときに深呼吸でリズムを整える
- 自分の番が来ても一呼吸おいてから話し始める
- 焦らずゆっくり、息を吐くイメージで声を出す
「すぐに話さなきゃ!」と思うと、言葉はますます出にくくなります。“自分のペース”を取り戻すのがカギです。
メモやスマホを活用する
話す以外の伝え方を“堂々と”使ってみましょう。
- 事前にスマホのメモ帳にメニュー名を打ち込み、店員さんに見せる
- 紙に書いて渡す(アナログだけど確実)
- タブレット注文やモバイルオーダーを活用する
「話さなくて済む方法」は恥ずかしいことではありません。
自分がラクに注文できる手段を選ぶことこそ、“賢い工夫”です。
「どもるかも」と言ってしまうのも手
打ち明けることで、プレッシャーが軽くなることもあります。
- 「ちょっと言葉が出にくいかもしれません」
- 「すみません、少し話すのが苦手で…」
一言伝えることで店員さんの理解が得られ、空気がやわらかくなることも多いです。
話す前に言ってしまうことで、自分の緊張も少し和らぐ場合もあります。
うまく言えなかったとき、落ち込まないために

「詰まってもいい」「伝わればOK」という自分ルールを
- 他人はあなたが思うほど気にしていない
- 店員さんは「注文を聞き取る」のが仕事。多少詰まっても問題なし
- 落ち込んだら「注文できた自分、すごい!」と褒めてあげよう
吃音があると失敗をひとりで何度も反芻しがち。
でも、うまくいかなかったことよりも「やった」という行動に価値があるんです。
まとめ:「自分なりのやり方」で食べたい気持ちを叶えよう
吃音があるからこそ、注文の場面はとても勇気がいります。
でも、コツや工夫、心構えひとつで、気持ちのハードルは確実に下がっていきます。
言い方を工夫する
タイミングをずらす
話す以外の方法で伝える
事前に準備する
どれもあなたが「自分らしく、食べたいものを頼む」ための選択肢。
無理せず、でもちょっとずつ挑戦できるように、一緒にコツを見つけていきましょう。