時間が気になり休めない「時間不安障がい」とは?症状と対処法

凸凹村管理人

時間不安障がいは、時間の進行に対する強迫観念や、常に時間が足りないという憂いを含むと言えます。友達が待ち合わせに遅れると、後で取り組む予定がなくなることで不安になったり、郵便局が混雑していると焦燥感に襲われ、手のひらがベタベタになるのは、典型的な時間不安障がいの症状です。

時間がただ過ぎ去ることを恐れる傾向

臨床心理士のケヴィン・チャプマン博士は、「問題は時間の制約にあるのではなく、自分が時間をコントロールできないという感覚です」と説明します。この感覚にとらわれると、不安に襲われ、自分が時間を無駄にしていることについて考え込んでしまい、最終的には日常のルーティンですらこなせなくなる悪循環に陥る可能性があります。

著書『The Undefeated Mind』の著者であるアレックス・リッカーマン氏によれば、「人生に意味を求める人は、時間の無駄遣いという考えに抵抗を示すことが多い」とのことです。常に目標を持ち、すべての行動に意味を見出すことで幸福や成功を追求する人は、時間がただ過ぎ去ることを恐れる傾向があります。

一日一分一秒がどんどん貴重になる

子どもの頃、夏休みが終わらないかのように感じたもので、大人になると時間の経過が急速に感じられるのは、単なる気のせいではないでしょう。しかし、時間以外の変化は確かです。

成長する過程で、喪失を経験し、赤ちゃんの成長を目撃し、学校の長期休暇から解放される。そして、歳を重ねるにつれて、時間の貴重さが身に染みて分かる一方で、大人としての責任と目標は増えていく。そのため、一日一分一秒がどんどん貴重になることを感じるでしょう。

「時間を無駄にすることを恐れて何もせずに終わってしまう」

作家のクラウディア・ハモンド氏は、大人の時間が減った主な要因として、「2008年の金融危機による個人の仕事量の急増」と「テクノロジーによる仕事とプライベートの境界線の曖昧化」を挙げています。

31歳の小学校教師、フェイ・ミッチェルは皮肉にも、スケジュールに余裕があるときに不安を感じます。「時間を無駄にすることを恐れてしまい、結局何もせずに終わってしまう」と彼女は述べます。

プレッシャーの大きい仕事をしている人など特に強い

身動きが取れないような感覚です。やらなければいけないことや、時間の使い方は分かっているのに、自分への期待が高すぎて手に付かないんです。濡れた髪のままベッドに座って、時間の経過をただ見つめているだけ。週に何度か、頭では遅れることを理解していても行動に移せないことがあります」。

チェンジマネジメントを専門とする心理学者で神経科学者のリンダ・ショー博士によれば、時間を無駄にしたくないという強い気持ちは、プレッシャーの大きい仕事をしている人や、1日12時間労働が日常的な個人事業主を苦しめることがあります。私もこの気持ちに共感せざるを得ません。

特に母親は不安を感じやすい

「スーパーママになりたかった」と語るロシェル・ロドニー=マソップ(26歳)は、ロンドンで接客業のパートをしながら双子を育てるシングルマザーです。「21歳の時に心理学を専攻中に妊娠した時、本当にインターンシップと子育てを同時にできると信じていました。しかし、卒業後にアパレル・マーチャンダイジングの仕事を始めてからは、子育て、長時間の労働と通勤、家の改築を同時進行で行うことが不可能に思えてきました。どんなに時間を効率的に使っても、1日24時間では足りません」

ショー博士によれば、家族が増えても時間は増えないため、特に母親は不安を感じやすいとのことです。女性は普段から時間のプレッシャーを感じているだけでなく、周囲の人々の精神的な負担を引き受けることが多いです。子どもや親、パートナーや兄弟姉妹の不安を一手に受け止めるのは一般的に女性ですから」。

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