統合失調症とは?誰にでも発症の可能性がある疾患 症状、原因、回復への道のり

凸凹村管理人

統合失調症は、広く知られている病名ではありますが、その実態について理解されている人は少ないかもしれません。

しかし、この病気は非常に頻繁に起こるもので、周囲の人々が理解を示すことが重要です。ハウス加賀谷さんは、統合失調症の当事者として、自身の経験をもとに、病気と向き合う方法を考えています。

誰にでも発症の可能性がある疾患

統合失調症は若い人によく見られ、発症する可能性が高い時期にあります。その原因はまだ完全に解明されていませんが、誰にでも発症の可能性がある疾患です。松本ハウスのハウス加賀谷さんも、中学生の頃にこの病気を発症しました。

中学2年生の1学期の終わりごろ、ハウス加賀谷さんが統合失調症を発症した瞬間を振り返ると、その日の出来事が鮮明に思い出されます。「授業中、先生が後ろの女子生徒を叱責していました。彼女が下敷きで匂いを遮るような行動をしているとのことでした。私はその様子を見て、自分が臭いのではないかと思いました。その瞬間から、幻覚や幻聴に苦しむ日々が始まりました」と加賀谷さんは振り返ります。

統合失調症には陽性症状と陰性症状の両方がある

しかし、現在は毎日の服薬により寛解状態にあります。コンビを組む松本キックさんは、加賀谷さんの病気を受け入れ、20年以上にわたって変わらぬサポートを提供しています。「精神疾患を抱える人々を受け入れる社会はまだ進化途中です。知識不足がその理由です。まずは周知活動を通じて理解を深めることが重要です」と松本さんは語ります。

統合失調症には、陽性症状と陰性症状の両方があります。陽性症状は、実際には存在しないものを感じたり信じ込んだりする症状で、幻聴や妄想がその代表例です。例えば、見知らぬ人が自分を監視していると感じたり、実際にはない悪口が声として聞こえることがあります。また、自分の考えが他人にコントロールされていると感じたり、話が脱線してしまうこともあります。これらの症状は薬物療法で比較的治療が可能です。

陰性症状では意欲の低下や感情の鈍化が主な特徴

一方、陰性症状は、通常の状態が低下したり欠如したりする症状であり、意欲の低下や感情の鈍化が主な特徴です。喜怒哀楽の表現が乏しくなり、興味や関心が薄れていくこともあります。

部屋の掃除や身なりの管理に無関心になったり、社会からの引きこもりを選ぶこともあります。これらの症状は薬物療法だけではなく、精神的な支援や社会的な支援も必要とされます。

統合失調症における主要な症状の一つである「認知機能障がい」は、個人の認知機能の低下を伴います。認知機能とは、情報の処理や記憶、注意、計画立案、判断などを含む心理的なプロセスのことであり、これらの機能が低下することで、日常生活に支障をきたすことがあります。

例えば、新しい情報を覚えることが難しくなり、作業の途中で何をしていたのか忘れてしまうことがあります。注意力の低下により、他のことに意識が移ってしまったり、必要のない情報に気を取られてしまったりすることもあります。

計画を立てて実行する能力が低下

認知機能の低下は、日常生活のあらゆる場面に影響を与えます。例えば、仕事や学業において新しいタスクを遂行することが難しくなり、計画を立てて実行する能力が低下します。

また、社会的な場面でも、他者とのコミュニケーションが困難になることがあります。判断力の低下により、状況を適切に判断できなくなり、適切な行動が取れなくなることもあります。

統合失調症の患者における認知機能障がいは、その重症度や程度に個人差があります。しかし、これらの症状は病気の一部であり、本人や家族、医療専門家が適切な支援を提供することで、日常生活における障がいを軽減することができます。

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