障がい者就労 4月から雇用率引上げ 啓発に注力

凸凹村管理人

4月から、民間企業の法定雇用率が2.3%から2.5%に引き上げられることになりました。これにより、障がい者雇用促進法の改正が施行されます。市内の就労支援センターの担当者は、「実際の仕事の質もより重要になってくる」と述べています。同時に、市健康福祉局も企業への啓発活動に注力しています。

神奈川県内では雇用率が全国平均よりも低い水準

この法律は、障がいの有無にかかわらず、誰もが希望や能力に応じて社会参加を果たせるよう促す「共生社会」の理念に基づいています。従業員40人以上の事業主は、1人以上の障がい者を雇用する義務が課されます。

しかし、神奈川県内では実際の雇用率が全国平均よりも低い水準にとどまっています。この問題に取り組むため、神奈川労働局では特に中小企業に対する支援を強化しています。

長時間の勤務が難しい障がい者の雇用を拡大するための特例が導入

一方、市健康福祉局も企業に対する啓発活動に積極的に取り組んでいます。出前講座などを通じて、企業にとって障がい者をどのように雇用すれば良いかを理解してもらうことが重要視されています。

改正により、長時間の勤務が難しい障がい者の雇用を拡大するための特例が導入されました。これにより、以前は週20時間以上働けない人は算定できませんでしたが、10時間以上であれば0.5人として算定できるようになります。

精神障がいを抱える人々が主に利用する市内のある就労支援事業所では、「20時間のハードルは高く、それができるのは一握りです。しかし、10時間ならば多くの人が力を発揮できるため、門戸が広がります」と担当者は喜んでいます。

仕事のやりがいや成長の機会が重要

横浜西部就労支援センターの担当者は、「雇用率だけに焦点を当てると、とにかく雇うことが重視され、その後のサポートが疎かになります。在籍していても仕事を与えられないケースもあるため、仕事のやりがいや成長の機会が重要です。共生社会を実現するためには、企業も障がい者雇用を負担ではなく、戦力として位置付けるべきです」と警鐘を鳴らしています。

この改正には、障がい者雇用の実務に関わる重要な事項が含まれており、企業にとって具体的な対応が必要になる内容となっています。

主な改正点は大きく3つ

主な改正点は大きく3つあります。まず、法定雇用率の引き上げと雇用を義務付けられる対象企業の拡大です。今回の改正では、法定雇用率が現在の2.3%から2024年4月から2.5%へと引き上げられます。

さらに、2026年7月には2.7%へと段階的に引き上げられる予定です。また、雇用を義務付けられる企業の対象も変化し、現在の従業員43.5人以上から、2024年4月からは40人以上、2026年7月からは37.5人以上へと拡大されます。

次に、雇用率算定対象となる障がい者の拡大があります。これまでは、週20時間以上働けない人は算定できませんでしたが、今回の改正では10時間以上であれば0.5人として算定できるようになります。この変更により、さらに多くの障がい者が雇用の対象となります。

最後に、障がい者雇用報奨金・助成金の見直しが行われます。これにより、障がい者雇用を促進するための支援制度が改善され、企業が積極的に雇用を推進するための補助金や助成金が提供されます。

障がい者の雇用が進まない場合さまざまな問題が生じる

このような改正により、障がい者雇用に関する取り組みがさらに進展し、社会全体での理解と支援がより重要になってきます。企業は、法定雇用率の引き上げに備えて、積極的な雇用促進策を検討し、障がい者が活躍できる環境づくりに取り組むことが求められます。障がい者の雇用が進まない場合、さまざまな問題が生じます。

まず、障がい者の雇用率が法定要件を満たさない場合、企業は罰金を支払う必要があります。具体的には、不足人数1人当たり月額50,000円の障がい者雇用納付金が徴収されます。さらに、ハローワークから行政指導を受けることになります。この指導は、雇用納付金を支払っていても免れることができません。

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