障がい者に仕事体験 自信を深めて仕事の定着図る NPO法人や自治体で行われる

凸凹村管理人

NPO法人や自治体では、働きたいという希望を持つ障がい者に向けて、短時間の仕事体験プログラムを実施しています。学校を卒業した後、施設に入所したり自宅で過ごしたりしている障がい者にとって、仕事に触れる機会が少ないことが課題です。このようなプログラムを通じて、参加者が実際の職場で働くことに自信を持つことができるようです。

就労体験プログラム

「ご来場ありがとうございます。こちらがイベントの案内パンフレットです」

3月5日、地元の公園で行われたピクニックイベントに、障がい者支援団体が主催する就労体験プログラムに参加した障がい者とその家族ら約40人が、来場者にパンフレットやチラシを配布していました。

このプログラムは、NPO法人「未来への一歩」が推進しており、障がい者が仕事に触れる機会を提供しています。参加者は、6つのグループに分かれて、各エリアでの活動を行いました。

「たくさんの人と交流できて楽しかった」

地元の特別支援学校に通う女子学生(16)は「初めての体験でドキドキしましたが、たくさんの人と交流できて楽しかったです。これからの進路について考えるきっかけになりました」と笑顔で話しています。彼女の母親も「子どもたちが実際の仕事を経験することで、将来の選択肢を広げることができるのは素晴らしいですね。このような機会を提供してくれる団体に感謝しています」と述べています。

2012年に開始された同研究所の就労体験プログラムは、北海道、東京、京都、島根など全国10都道府県で展開されています。サッカーやバスケットボールの試合、マラソン大会、プロレスの巡業などで、参加者は3~4時間の体験が可能です。交通費として2000円が支給され、これまでに延べ4000人以上が参加しています。

体力や自信をつけるだけでなく社会参加のきっかけ

実施の際には、研究所のスタッフが事前に現地を訪れ、1日の流れを確認し、参加者に適した仕事を選定します。清掃やゴミ分別の声かけ、募金活動など、さまざまな仕事を担当しています。また、活動を継続するために企業スポンサーの募集やクラウドファンディングを行っています。このプログラムでは、引きこもりの人や不登校の子どもたちなども受け入れており、参加者は体力や自信をつけるだけでなく、社会参加のきっかけとしても活動しています。

同研究所の田中真宏代表(45)は、「障がいがあるとアルバイトをするのが難しいため、働く機会や選択肢が限られがちです。しかし、このプログラムを通じて、参加者がワクワクするスポーツの場でサービスを提供する側に立つことができます。参加者には新たな可能性を発見し、次のステップに進むきっかけとなることを願っています」と述べています。

神奈川県鎌倉市での取り組み

神奈川県鎌倉市では、2017年度に約2700人の18〜64歳の障がい者が生活しており、そのうち1245人が働いていると推定されています。市は働く意欲のある障がい者の雇用を促進するため、障がい者の雇用を2000人に増やす目標を掲げており、2024年1月時点で2024人が働いています。

市は2020年から藤沢市のNPO法人「農スクール」に委託し、障がい者向けの就農体験プログラムを実施しています。この3年間で、就労や自立に不安を感じる約250人が参加しています。

農業は作業を細分化しやすく、それぞれの特性に合った働き方ができるため、障がい者にとって適した職場と言えます。例えば、体力に自信があれば根菜類の運搬などの仕事ができます。昨年、参加した男性(47)は「雑草から肥料を作ったりして興味が増した」と話しています。同法人によると、得意な分野や長所を伸ばす形で就労に結びつけやすいということです。

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