「聴こえない」とはどんな障がいなのか?小学校で「聴覚障がい」に関する授業が行われる

凸凹村管理人

鶴見大学文学部の元木章博教授とその研究室の学生が、あざみ野第一小学校で行った「聴覚障がいに関する授業」は、学校図書館が企画した展示の一環でした。この授業は、昨年の「視覚障がいいまむかし」展に続くものであり、聴覚障がいに対する理解を深める機会として位置付けられました。

クイズで障がいを学ぶ

当日は、午前中に3年生3クラス、午後に6年生1クラスが対象でした。元木教授は、手話を交えて声を出さずに自己紹介し、その後、障がいと病気の違いや、18歳未満の聴覚障がい者の数などに関するクイズを出題しました。生徒たちは興味津々でクイズに取り組み、自分たちの知識を試す良い機会となりました。

ジェスチャーを通じてコミュニケーション

さらに、音声と文字を禁止した上で、絵で見たものを伝えるゲームが行われました。このゲームでは、児童たちがジェスチャーを駆使して、さまざまな物や場所を表現し合いました。手話やジェスチャーを通じてコミュニケーションをとることの難しさや大切さを実感したことでしょう。

『見えない障がい』

元木教授は、授業の終わりに、「聴覚障がいは見た目では分からず、『見えない障がい』とも言われます。誰もが年を重ねると耳の聞こえづらさを感じるように、特別なことではありません。コミュニケーションの取り方などを考え、工夫してほしい」と生徒たちに訴えました。この言葉には、聴覚障がい者とのコミュニケーションにおける理解と配慮の大切さが込められています。

2週間にわたって開催

また、この授業は2週間にわたって開催され、他の学年にも共有される予定です。これにより、より多くの生徒が聴覚障がいに関する理解を深め、社会全体での配慮と共感が広がることが期待されます。教育の場でのこのような取り組みは、社会の多様性を尊重し、包括的な教育を実現するために不可欠です。

さまざまな原因

聴覚障がいは、聞く能力に問題がある状態を指します。これは、生まれつきのものから後天的なものまで、さまざまな原因によって引き起こされます。

先天性の聴覚障がいは、胎児期や出生時に発生する遺伝的な要因や母体の感染症、薬物の使用、出生時の合併症などが影響することがあります。一方、後天性の聴覚障がいは、疾患やけが、高齢化、環境要因などによって生じることがあります。

言語の習得やコミュニケーション能力の発達

聴覚障がいは、個人の日常生活や社会参加に大きな影響を与える可能性があります。特に、言語の習得やコミュニケーション能力の発達においては、聴覚障がいが適切に対処されないと大きな支障をきたすことがあります。

学校や職場、社会の様々な場面で、情報の受け取りやコミュニケーションが困難になる可能性があります。そのため、聴覚障がいに対する理解と配慮が重要です。

社会全体の支援が必要

聴覚障がい者が自立し、充実した生活を送るためには、適切な支援が必要です。補聴器や人工内耳などの補助技術が役立つ場合もありますが、それだけではなく、手話や筆談などのコミュニケーション手段の提供や、環境のバリアの除去が重要です。また、聴覚障がいに対する偏見や差別をなくし、社会全体での包摂を促進することも大切です。

影響やニーズが理解されにくい場合がある

聴覚障がいは、見えない障がいであるため、その影響やニーズが理解されにくい場合があります。しかし、聴覚障がい者とのコミュニケーションを円滑にし、彼らが自分の声を持ち、意見を表明し、社会参加を果たすことができるようにするためには、私たち全員が協力して取り組む必要があります。

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