自分が自分でなくなる?解離性障がいとは

凸凹村管理人

時には複数の人格が現れる精神障がい

「一人暮らしのアパートメントで目が覚めると、部屋が驚くほど整然と片付いているのを見つけました。しかし、その秩序を作ったのは自分以外に考えられません。不思議なことに、その整理整頓の記憶は全くありません」。

解離性障がいは、自己の一貫性が揺らぎ、意識、感覚、記憶、行動に断片化が生じ、時には複数の人格が現れる精神障がいです。その存在は一般的に認識されにくく、当事者たちは理解されることを望んでいます。

解離性障がいの当事者が集まり自身の体験を分かち合う

『バリバラ』の放送内容をもとに、解離性障がいに詳しい精神科医の岡野憲一郎さんに話を聞く機会がありました。バリバラに専門医として登場した岡野さんは、長年にわたり解離性障がいの患者を治療してきた経験を持っています。

2020年に放送されたバリバラでは、解離性障がいの当事者が集まり、愛称で呼び合いながら、自身の体験を分かち合いました。

その中で、Tokinさんが「頭の中に誰かがいて、私に話しかけてくる。何人かのチームで」と語り、もっさんが「勝手に足が動いたり、手が動いたり、体が動くときは“のっとりくん”がまた来たなと」と述べ、綾子さんが「夫とのコミュニケーションで問題が発生すると、非常にバイオレンスな人格が出てきてしまって、それをコントロールできない」と明かし、くわまんさんが「学校に行く途中で気がついたら街の喫茶店にいたりした」と述べました。

主な症状

解離性障がいには、主に以下の4つの症状があります。これらの症状が同じ人に重なって現れることもあります。

①解離性同一障がい:複数の人格が入れ替わる多重人格として知られる。

②解離性健忘:記憶の一部分が飛んで、思い出せなくなる。

③解離性遁走:ふだんの生活圏から離れて、知らない場所に行ってしまう。

④離人症:自分や世界についての現実感がなくなってしまう。

解離性障がいは、アメリカの研究データによれば100人に1人の割合で発症するとされ、実際にはかなり一般的な病気であると考えられています。しかし、患者は病気を隠すことが多く、症状も複雑で診断も難しいため、発症率1%という数字は推計値であり、正確な統計データではありません。潜在的な患者数は少なくないとされていますが、その実態はまだ完全には解明されていません。

周囲から否定的な言葉を受けて困惑

解離性障がいは、本人が自作自演しているような印象を与えることがあります。突然、別の人格に変わってしまったり、記憶を失ったり、知らない場所に行ってしまったりしますが、しばらくすると元に戻ってしまうこともあります。

このような症状から、詐病や虚言だと疑われることもあります。番組でも当事者のくわまんさんは、周囲から否定的な言葉を受けて困惑したと語っています。岡野さんは、「解離性障がいは常識では理解しがたい面がありますが、コンピュータの比喩で説明するとわかりやすい」と話します。

「コンピュータはCPUだけで成り立っているわけではなく、モニターやスピーカー、記憶装置やプリンターなどの周辺機器とつながって機能を果たします。そのネットワークの接続が切れてしまうと、周辺機器が働かなくなったり、連動した動きができなくなってしまいます。脳がそういう状態に陥るのが解離だと、私は理解しています」

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