「保育園留学」発達障がい児受け入れ 小樽市で初の取り組み

凸凹村管理人

各地で広がる「保育園留学」の取り組みは、子どもたちに自然豊かな環境での貴重な経験を提供しています。北海道小樽市では、昨年から全国初の発達障がいを抱える幼児を対象としたプログラムがスタートしました。

この取り組みでは、家族全員が滞在しながら支援や教育を受けることができ、利用者からは「子どもにとって良い刺激になった」という笑顔が見られます。

全国に広がる取り組み

保育園留学は、主に首都圏に住む0〜5歳の子どもたちが1〜2週間、地方の保育園に通う仕組みです。この取り組みは、民間企業「キッチハイク」(東京)が2021年に開始しました。

同社によると、これまでに19都道府県、39拠点に広がり、500組以上の家族、計約1650人が利用しています。また、このプログラムは受け入れる自治体にとっても重要であり、田舎暮らしを体験することで将来の移住を促進する可能性が期待されています。

小樽市には発達支援専門の事業所が存在

小樽市では、全国的に珍しい発達支援専門の事業所との連携を図り、発達に不安を抱える子どもたちへの療育に特化した保育園留学の取り組みが展開されています。

昨年の7月から募集が開始され、その成果が今年の2月末に受け入れられた東京都在住の男児とその家族によって実証されました。男児は、言語の発達に遅れがあり、これまでに行政や民間機関から支援を受けてきました。

保育園留学に参加することで、新しい環境での成長や運動の楽しみを見出し、その成果が家族や専門家によって喜ばれています。

そのため、市はキッチハイク社と事業所との連携を図り、発達に不安を抱える子どもたちへの療育に特化した保育園留学の募集を昨年7月から開始しました。

「新しい環境に慣れるための練習」

昨年7月からの保育園留学募集を経て、実際に受け入れられたのは今年2月末で、東京都在住の6歳の男児とその家族でした。

男児は言語の発達に遅れがあり、3歳ごろから行政や民間機関の支援を受けていました。小学校入学を控え、母親の永見薫さん(41)は「新しい環境に慣れるための練習として利用することにしました」と語っています。

「子どもにも成長が見られた」

彼らの滞在期間は7日間でした。保育園留学を提供する事業所には作業療法士や言語聴覚士が所属しており、事前のオンライン面談で療育計画を立てました。男児は他の幼児と一緒に体操や運動を楽しんだそうです。

永見さんは「これまでの療育を客観的に振り返ることができ、子どもにも成長が見られました」と目を細めます。

男児は運動が苦手でしたが、広い遊び場で体を動かした結果、抵抗感が減ったようで、「小樽にまた来る!」と声を弾ませたといいます。

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