ASDの人が”いじめの記憶”にずっと苦しむ理由 直面する課題とサポートの必要性

凸凹村管理人

発達障がいの人が直面する課題について、精神科医の岩波明氏は興味深い洞察を提供しています。彼によれば、ASDの人はいじめの標的になりやすいと指摘されています。

ASDの人は記憶力が優れているため、いじめの記憶を消し去ることが難しいことが挙げられます。このことは、成人してもその苦しみが続く原因となるでしょう。岩波氏の指摘は、発達障がいの人々が抱える困難な現実を浮き彫りにし、その理解と支援の必要性を強調しています。

ASDの子どもたちが集団生活で直面する課題

ASDの子どもたちが集団生活で直面する課題の1つは、役割分担や自己認識の難しさです。クラスでのグループ作業やプレゼンテーションなど、他の子どもたちとの調整が難しく、自分の興味や得意分野に没頭してしまうことがあります。

『なんでそんなに書いてきたの?』

以前、私がサポートしていたASDの子どもがこんな経験を共有してくれました。「学校で、みんなで文集を作ることになりました。テーマごとに分担し、それぞれが調査して書いて、それをまとめるという形式でした。私は『宇宙』というテーマを担当しました。夢中で調べて書いて、完成したものを持って行ったら、クラスメイトから非難されました。『なんでそんなに書いてきたの?』って言われました。自分では何が悪いのか理解できませんでした。

こうした状況では、先生やクラスメイトがその子の特性を理解し、適切なサポートを提供することが重要です。他の子どもたちとのコミュニケーションを円滑にする「仲介役」として立ち振る舞うことで、より良い結果が得られる可能性があります。

みんなと一緒にやる行動は苦手で嫌い

ASDのお子さんが教室の中でグループに入らずにぽつんとしているのは、彼らが「みんなと一緒にやる行動は苦手で嫌い」という特性と関連しています。また、「場の空気」を読むことが苦手であるため、クラス内のグループダイナミクスを理解し、適切に立ち回ることが難しいのです。

小学校高学年になると、クラス内でさまざまなグループが形成され、それぞれのグループごとに異なる雰囲気や空気が存在します。このような状況下で、ASDのお子さんは周囲の雰囲気を感じ取ることが難しく、自らグループに参加することが難しい場合があります。その結果、彼らは通常、他の子どもたちと一緒にいることよりも、ひとりで行動することを選択する傾向があります。

いじめを行う子どもたちも存在

このような状況では、周囲のクラスメイトが理解と配慮を示せば問題はありませんが、中にはASDのお子さんを標的にしていじめを行う子どもたちも存在します。彼らはASDのお子さんがひとりでいることを見て、標的にすることを決めることがあります。このようないじめは、クラス全体に広がってしまう危険性もあります。

特定の事柄に強いこだわりを持っていたIさん

Iさん(男性)はASDと診断されています。彼の幼少期には、他の子どもたちと遊んだ記憶がほとんどありませんでした。彼は普通に遊ぶことよりも、1人でいることを好み、特定の事柄に強いこだわりを持っていました。

彼の記憶には、公園の砂場で遊んだり、三輪車に乗ったりといった典型的な子どもの遊びの場面はありません。父の実家に連れて行かれた際も、1人で外を眺めてバスが通るのを楽しんでいたことを覚えていますが、相手をしてくれる人がいなかったとのことです。

親に連れられて公園や電車、バスに乗ったことはあったものの、両親が忙しく一緒に過ごす時間が少なかったため、他の家族をうらやましく思っていました。

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