発達障がい、35歳の男性が発見した「気が散って仕方ない人」のための道具 集中できるように工夫

凸凹村管理人

ADHD(注意欠陥・多動症)の当事者である借金玉さんは、大手金融機関での仕事に挑戦しましたが、うまくいかずに退職しました。その後、起業を試みましたが失敗し、多額の借金を抱え、1ヵ月も家から出られない「うつの底」に沈んだ経験を持っています。

最新の著書『発達障がいサバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』では、借金玉さんが数々の失敗から得た「生活を維持するための術」が紹介されています。この本は、「生きるためには働かなくてもいいが、働かなければ生きていけない」という、多くの人に忘れられがちな事実を強調しています。生活術は仕事の基盤であり、仕事をする上で欠かせない要素なのです。

この記事では、借金玉さんの著書から「在宅ワーク」「休息法」「お金の使い方」「食事」「うつとの向き合い方」など、「ラクになった!」と感じるライフハックが紹介され、その裏にある思想や考え方に迫ります。自分の悩みや課題を明確にし、解決策を見出すためのヒントが満載です。

発達障がいに対応した最適な作業環境を構築

発達障がいに対応した最適な作業環境を構築することが、営業と文章の両方をこなす上で欠かせない要素と確信するようになりました。そのために、2年の歳月をかけて環境を整えてきました。この環境は以下の4つの考え方に基づいています。

まず第一に、ほぼすべての必要なものが手の届く範囲にあることです。一つの場所から離れることなく、作業に必要なものを瞬時に取り出せるようにしています。

次に、作業スペースをできるだけ広く確保しています。広々とした空間は、集中力を高め、ストレスを軽減するのに効果的です。

また、身体への負荷を最小限に抑えるために心掛けています。姿勢や動作に気を配り、適度な休憩を取ることで、疲労を蓄積させずに作業に集中できるようにしています。

最後に、怠ってはいけないチェックすべき事柄が、常に視界に入るようにしています。これにより、重要なタスクや期限を見逃すことなく、作業を効率的に進めることができます。これらの考え方に基づいた作業環境は、私にとって欠かせないものとなっています。

作業スペースの広さは何よりも重要

まず、机の重要性について考えます。作業スペースの広さは何よりも重要です。もちろん、小さいスペースを上手に使うこともスキルですが、私にはそれが難しいです。私にとって、作業スペースの広さは脳のメモリの大きさに直結します。そのため、私は2つの机をL字型に組み合わせて使っています。

一つはパソコン作業、もう一つは紙ベースの事務作業用です。この2つのスペースは別々でなければなりません。また、座高が高めなので、私にフィットする75センチの高さの机を選びました。さらに、高さを昇降調整できるものを合わせて使っています。

次に、モニタについて考えます。モニタも2台あるのは、作業スペースを広くするためです。私は短期記憶が弱いので、タブを切り替えるだけでなく、画面から消えたものはすぐに忘れてしまいます。かつて会社で仕事をしていたときは、自分のモニタを持ち込んでデュアルモニタにしていました。

身体の負担を減らす工夫

そして、イスについてです。長時間座り作業をする場合、身体的なダメージを軽減する必要があります。私は腰が悪いので、ポスチャーフィットのついたアーロンチェアを使っています。このイスは友人からのプレゼントでしたが、以前は安いイスを使っていたときに腰痛に悩まされていました。アーロンチェアを使ってみるまでは、自分には高価なイスは必要ないと思っていましたが、実際に座ってみると腰痛が改善されて驚きました。

キーボードまわりでは、真ん中から2つに割れた分割型のキーボードを使っています。初めて使う人にはなじみがないかもしれませんが、実際に使ってみると、キーボードに向かって脇を締める動作が背中や肩に負担をかけていたことを実感できます。キーボードを打つときやトラックボールを使うときには、腕を預けるリストレストが必需品です。

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