「あの子、ちょっと変わってるよね」と陰で言われていた小学生 中学で「本格的な登校拒否」に・・・発達障がいと向き合う日々

凸凹村管理人

愛梨さん(13歳・仮名)は、小学校の時、「ちょっと変わっているね」と陰口をたたかれるようになり、クラスに馴染めず不登校に。なんとか卒業して中学に入学したものの、1年生の11月に発達障がいだと診断されました。それと符合するかのように、なぜか右肩下がりに落ちて行く成績。実は、思いもよらないことが起きていたそうです。

クラスメイトとうまくコミュニケーションできない

愛梨さん(仮名)は幼稚園の時に、初めて「壁」にぶつかりました。父親が転勤族だったため年長の時に転園したのですが、同じクラスの女の子のなかにうまく馴染めなかったそうです。お母さんの玲奈さん(仮名)にお話を聞きました。

「夏休み明けに引っ越したのですが、幼稚園は地元の子ばかりでした。その子達は3年間ずっと一緒にいて、すっかり関係性が出来上がっていました。そこにうちの子がポツンと入ったのですが、娘は周りの子とコミュニケーションを取ることができず、特に、会話のキャッチボールが苦手でした。興味がある話題になると自分のことばかり話してしまうので、なかなか仲良くなれないのです。」

尋常じゃないほど忘れ物が多くなる

そこまではよくある話かもしれません。しかし、小学校に入学した愛梨さんは、尋常じゃないほど忘れ物が多く、玲奈さんは心配になりました。

「1年生の夏休みに教育委員会を通じてwisc(ウィスク)という知能検査を受けさせました。結果、1年生の能力的に考えたら、多少凹凸はあるものの問題ないということでした。知能指数もほぼ平均で、普通学級のままで問題ない、もう少し様子を見ましょうということになりました。ただ、忘れ物は本当に多くて、ランドセルの裏側にマスキングテープでメモを貼って、家に帰ってランドセルをしまう時に、連絡とか宿題とか思い出せるようにしました。

小学校に入学しても、相変わらずクラスメイトとうまくコミュニケーションできない愛梨さん。ただ、本人も、周りに合わせないと友達ができないと分かってきて、周囲に話を合わせる努力をしていたそうです。

トイレから出られない

3年生の夏休みに大阪に転居し、転校した愛梨さん。とうとう学校に行けなくなってしまいました。

「4年生、5年生にもなると、女の子は成長して難しい年頃になります。いじめとまではいかないけれど、『ちょっと変わっているね』と陰で言われるようになり、女の子の輪のなかに入れなくなりました。言った人は陰で言っているつもりでも、本人にも伝わってきます。休み時間も一人でポツンといることが多かったと聞いています。朝、学校に行こうとするとお腹が痛くなって、トイレから出られない状況が続きました。私が無理矢理トイレから引っ張り出して学校に行かせたので、本人も辛かったと思います。そのうち、愛梨は朝起きられなくなってしまいました。

苦しい胸の内を聞いてもらうことでガス抜き

玲奈さんは、担任にスクールカウンセラーを紹介してもらいましたが、カウンセラーから病院に繋げてくれるとか教育委員会に話が行くことはありませんでした。

「愛梨の下にも子どもが二人いるので、その子達の幼稚園の送迎をしなければならず、かといって愛梨を一人で家に置いておくこともできず、気持ちが張り詰めていきました。夫も出張が多くてほぼワンオペ状態で、思うように愛梨に手をかけてあげることができない辛い日々が続きました。そんな時、コロナ禍だったこともあり、学校からもらった教育センターのチラシに『お子様のことで困り事があったら相談してください。学校に行けない子には他の考え方もある』と書いてありました。私のカウンセリングではありませんが、苦しい胸の内を聞いてもらうことでガス抜きできて助かりました。

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