身体障がいの種類や等級の分け方について、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。身体障がい者手帳の等級は、身体障がいの種類によって異なります。
そこで本記事では、身体障がいの種類や等級をはじめとして、身体障がい者手帳を持つことで受けられるサービスや制度を紹介します。
身体障がいのある方が利用できる福祉サービスを知りたい方や、これから身体障がい者手帳の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
身体障がいとは?
身体障がいとは、先天的あるいは後天的な理由で、身体機能に何らかの障がいがある状態のことをさします。身体障がいの定義は、1949年施行の「身体障がい者福祉法(第4条)」において「身体上の障がいがある十八歳以上の者であって、都道府県知事から身体障がい者手帳の交付を受けたものをいう」とされています。
身体障がい者手帳の交付を受けるには、各都道府県により指定を受けた医師の診断書と意見書が必要です。身体障がいは、障がいの程度が重い方から1級〜7級に分けられ、障がい者手帳にも記載されます。
身体障がいの主な種類
身体障がいは身体障がい者福祉法により、5つの種類に分類されています。
- 上肢障がい、下肢障がい
- 視覚障がい
- 聴覚又は平衡機能の障がい
- 音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障がい
- 内部障がい
上肢障がい、下肢障がい
上肢障がい、下肢障がいとは、両手足、体幹の一部または全部に障がいがあるために「立つ」「座る」「歩く」「物を持つ」「字を書く」といった日常生活や社会生活に制限がある状態を指します。
先天的な疾病と、事故や病気によって損傷を受けるような後天的なものが原因としてあげられます。上肢障がい、下肢障がいの等級は、上下肢のどの部分が欠損しているのか、機能がどの程度失われているのかによって、1級か7級までの等級に区分されています。等級の詳しい判断基準は以下の通りです。
等級 | 基準 | ||
上肢 | 下肢 | 体幹 | |
1級 | 1.両上肢の機能を全廃したもの2.両上肢を手関節以上で欠くもの | 1.両下肢の機能を全廃したもの2.両下肢を大腿の2分の1以上で欠くもの | 体幹の機能障がいにより坐っていることができないもの |
2級 | 1.両上肢の機能の著しい障がい2.両上肢のすべての指を欠くもの3.一上肢を上腕の2分の1以上で欠くもの4.一上肢の機能を全廃したもの | 1.両下肢の機能の著しい障がい2.両下肢を下腿の2分の1以上で欠くもの | 1.体幹の機能障がいにより坐位又は起立位を保つことが困難なもの2.体幹の機能障がいにより立ち上がることが困難なもの |
3級 | 1.両上肢のおや指及びひとさし指を欠くもの2.両上肢のおや指及びひとさし指の機能を全廃したもの3.一上肢の機能の著しい障がい4.一上肢のすべての指を欠くもの5.一上肢のすべての指の機能を全廃したもの | 1.両下肢をショパール関節以上で欠くもの2.一下肢を大腿の2分の1以上で欠くもの3.一下肢の機能を全廃したもの | 体幹の機能障がいにより歩行が困難なもの |
4級 | 1.両上肢のおや指を欠くもの2.両上肢のおや指の機能を全廃したもの3.一上肢の肩関節、肘関節又は手関節のうち、いずれか一関節の機能を全廃したもの4.一上肢のおや指及びひとさし指を欠くもの5.一上肢のおや指及びひとさし指の機能を全廃したもの6.おや指又はひとさし指を含めて一上肢の三指を欠くもの7.おや指又はひとさし指を含めて一上肢の三指の機能を全廃したもの8.おや指又はひとさし指を含めて一上肢の四指の機能の著しい障がい | 1.両下肢のすべての指を欠くもの2.両下肢のすべての指の機能を全廃したもの3.一下肢を下腿の2分の1以上で欠くもの4.一下肢の機能の著しい障がい5.一下肢の股関節又は膝関節の機能を全廃したもの6.一下肢が健側に比して10センチメートル以上又は健側の長さの10分の1以上短いもの | |
5級 | 1.両上肢のおや指の機能の著しい障がい2.一上肢の肩関節、肘関節又は手関節のうち、いずれか一関節の機能の著しい障がい3.一上肢のおや指を欠くもの4.一上肢のおや指の機能を全廃したもの5.一上肢のおや指及びひとさし指の機能の著しい障がい6.おや指又はひとさし指を含めて一上肢の三指の機能の著しい障がい | 1.一下肢の股関節又は膝関節の機能の著しい障がい2.一下肢の足関節の機能を全廃したもの3.一下肢が健側に比して5センチメートル以上又は健側の長さの15分の1以上短いもの | 体幹の機能の著しい障がい |
6級 | 1.一上肢のおや指の機能の著しい障がい2.ひとさし指を含めて一上肢の二指を欠くもの3.ひとさし指を含めて一上肢の二指の機能を全廃したもの | 1.一下肢をリスフラン関節以上で欠くもの2.一下肢の足関節の機能の著しい障がい | |
7級 | 1.一上肢の機能の 軽度の障がい2.一上肢の肩関節、肘関節又は手関節のうち、いずれか一関節の機能の軽度の障がい3.一上肢の手指の機能の軽度の障がい4.ひとさし指を含めて一上肢の二指の機能の著しい障がい5.一上肢のなか指、くすり指及び小指を欠くもの6.一上肢のなか指、くすり指及び小指の機能を全廃したもの | 1.両下肢のすべての指の機能の著しい障がい2.一下肢の機能の軽度の障がい3.一下肢の股関節、膝関節又は足関節のうち、いずれか一関節の機能の軽度の障がい4.一下肢のすべての指を欠くもの5.一下肢のすべての指の機能を全廃したもの6.一下肢が健側に比して3センチメートル以上又は健側の長さの20分の1以上短いもの |
※「乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障がい」を除く