高次脳機能障がいの理解と対応 複雑な症状とその対策

凸凹村管理人

脳が損傷され、精密な情報処理がうまくいかなくなることにより、記憶・注意・行動・言語・感情などの機能に障がいを残す状態が高次脳機能障がいといわれています。

具体的には、失語症・記憶障がい・注意障がい・失認症(半側空間無視・身体失認)・失行症・地誌的障がい・遂行機能障がい・行動と情緒の障がいなどがあります。

高次脳機能障がいとは

高次脳機能障がいは

  • 身体上の障がいとは異なり表面的には目立たない
  • 本人も意識しにくいために理解されにくい
  • 診察場面や入院生活よりも在宅での日常生活、社会生活場面(職場、学校、買い物、交通機関の利用、役所などでの手続き)で出現しやすい

という特徴を持っています。こうした高次脳機能障がいを持つ方は外見からは分かりにくく、障がいを知らない人から誤解を受けやすいため、人間関係のトラブルを繰り返すことも多く、社会復帰が困難な状況に置かれています。

高次脳機能障がいの症状は複雑で一人ひとり異なり、複雑で、場面や人などの環境により症状の現れ方が変わるといわれています。そのため、さらに周囲を困惑させることがあります。しかし、ご本人も自分の障がいに、そして自分に向けられる言葉や態度にとまどっています。

高次脳機能障がいは他者から理解されにくいといわれていますが、それを最も感じているのは、他ならぬご本人かもしれません。周囲がこの障がいを理解し、適切な対応を心がけることが大切です。

障がいの原因は何?

脳の病気や事故などの後遺症から脳の機能に障がいが起こることがあります。原因疾患としては以下のようなものがあります。

  • 脳の血管が切れたり、つまったりすること(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞など)
  • 事故により傷つけられたり、圧迫されたりすること(びまん性軸索損傷、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、脳内出血、脳挫傷など)
  • 炎症を起こしたり、酸素が不足すること(ヘルペス脳炎、ウィルス脳炎、低酸素脳症など)

これらの脳の病気や事故にあった患者様すべてが「高次脳機能障がい」になるわけではありませんが、障がいを引き起こす確率が高いといわれています。

関連記事