大人の発達障がいとは?特徴とサポートのポイントを解説!

凸凹村管理人

最近になってよく耳にするようになった発達障がいという言葉。ほとんどの人には発達障がいとは子どものもので、療育が必要といったイメージしかないかもしれません。しかし、発達障がいに悩むのは子どもだけではありません。

大人の発達障がいも存在するのです。発達障がいという概念がなかった時代には、風変りの子どもや人、変わった人といった扱いを受け、非常に生きづらい思いをしてきた人も少なくありません。発達障がいの人はその場の空気を読むことが苦手だったり、うっかりミスが多かったりという行動上の特徴があります。

このような特徴は発達障がいの場合、努力で治すことができるものではありません。なぜなら、発達障がいは脳の発達のしかたが普通の人とは異なる物であると考えられているからです。ここでは、その大人の発達障がいについて詳しく解説していきます。

大人の発達障がいとは?

発達障がいとは、脳の情報処理や制御に偏りが生じ、日常生活に困難をきたす状態のことをいいます。決して心や育て方により起こるものではありません。

発達障がいは日常生活に支障をきたすこともありますが、その一方である特定の分野においては優れた能力を発揮することもあります。その発達障がいの中でもあえて「大人の」と言われるものは、概ね大学生以上の年齢の人の発達障がいのことを言います。

その症状は子どもの発達障がいと同じですが、症状が軽かったため大人になるまで発達障がいとは気付かなかったり、周囲の人に発達障がいを特徴や個性の一つと捉えられていたため、日常生活を送る上において特に問題がなかったケースも多いようです。

二次的な問題が起きて発覚することも

では、なぜ今まで問題にならなかった発達障がいが大人になってから問題となるのでしょうか?今まで日常生活に支障がない程度の発達障がいを持つ人が、大学などへの進学や就職により異なる環境に置かれた場合、その環境がその人に合わない場合に、もともとの発達障がいに加えて、うつ病などの二次的な情緒や行動の問題が起きてしまうことがあります。

就職した仕事が自分の発達障がいの特性に向いていなかった場合、当然の事ながら失敗の連続となり、成功体験を積み重ねることができません。

また、発達障がいの特徴の中には「他人と上手にコミュニケーションを取ることができない」といったものも含まれるため、そのような失敗を上手く先輩や上司に相談したり、アドバイスを受けたりすることができないケースもあります。

そのようなことが続くと、周囲から否定的な目で見られることが多くなるとともにストレスが溜まり、最終的にはうつ病などを発症してしまうこともあります。発達障がいの二次的な問題により、仕事の継続が難しくなることで転職を繰り返したり、失職してしまったりといったことも多々あります。社会的・経済的に不安定な状況に陥ってしまう危険があるのが大人の発達障がいの特徴です。

大人の発達障がいにはどのような症状があるのか

大人の発達障がいの中には、大きく分けて三つの傾向があります。この傾向は発達障がいをきっちりと三つの種類に分けるものではなく、それぞれの傾向を併せ持つ人がいたり、人によってその傾向の強さが異なったりすることがあります。その三つの障がいとは、以下のようなものです。

自閉症スペクトラム

自閉症スペクトラムとは、かつて広汎性発達障がいと呼ばれていた発達障がいの種類の一つで、自閉症、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障がい、レット症候群、不特定の広汎性発達障がいの独立した五つの障がいをまとめたものです。

自閉スペクトラムの中心となる症状は、「社会コミュニケーションの障がい」と「限定された反復的な行動」の二つです。社会コミュニケーションの障がいとは、日常的な会話のキャッチポールができない、愛着を示す行動が乏しく、知らない人の中に置かれても平気なように見える点です。

また、会話を行う際に表情の変化が乏しかったり、ジェスチャーが少なかったりする点も特徴です。周囲の空気を読むことが苦手なため、雰囲気を壊す発言をしてしまうこともあり、人との関係を上手に築くことが困難な人も多いです。また、柔軟性に欠ける傾向があるため、反復的な点も特徴です。

このような特徴を持っているため、変化に対応することが難しく、些細な変化に対しても大きな抵抗感や苦痛を感じてしまいます。このような特性は「融通が利かない」、「こだわりが人より少しだけ強い」というレベルの人が多いため、知的に障がいがない場合には障がい者とみなさないこともあります。

これらの特性を良い方向に考えると「自分のペースをブレずに守る」、「一つのことをコツコツと集中して行うことができる」という長所として見ることができます。しかし、この自閉スペクトラムを持つ人は、自分に合わない環境下に置かれてしまうと、日常生活にさまざまな悪い影響を及ぼしてしまうこともあります。この自閉スペクトラムに人の職場での具体的な困りごとには、以下のようなものがあげられます。

  • 職場で上司や部下、同僚などとうまくコミュニケーションを取ることができない
  • 職場やグループの暗黙のルールを理解できないため共同作業を行うのが難しい
  • 音や照明に過剰に敏感であったり逆に鈍かったりする
  • 同じ服や同じ作業手順にこだわるといったものがあります。

自閉症スペクトラムは、障がいになるパターンとならないパターンがあります。自閉スペクトラムの特性を生かすことができる仕事に就くことで、今の社会になじむことができる可能性もあります。

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