APD(聴覚情報処理障がい)ってどういう病気? APDの症状 や診断、治療法について解説

凸凹村管理人

APD(聴覚情報処理障がい)をご存知でしょうか?あまり聞きなれない病気ですね。APDは、難聴といわれるいわゆる聴覚障がいとは少し違います。最近では、LiD/APDとして知られるようになってきました。

LiD=聞き取り困難症、APD=聴覚情報処理障がいという意味で、これは音としては聞こえているのに言葉として聞き取ることが出来ない状態もしくは言葉の内容を理解するのに時間がかかる状態のことをいいます。

日常生活や仕事の中で、人の言葉が聞き取れずに困る場面が多くありませんか?聞き間違いが多く、会議や授業を理解するのが難しいことがありませんか?ご自身だけでなく、子どもや同僚・身近にそのような人がいるなど、心当たりのある方は是非最後までお読みください。

今回は、APDの特徴や症状・治療法についても説明していきます。また診断方法やチェックリスト、具体的な対策も載せていますのでぜひ参考にしてみてください。

APDとは?

APD(聴覚情報処理障がい)は、聞こえているのに聞き取れない状態のことを指します。つまり、聴覚検査では異常と言われたことが無いのに音声の聞き取りが困難である状態です。実はこのAPD(聴覚情報処理障がい)は、発達に特性のある人にしばしばみられます。また、病気や障がいではなく症状と言われることも多いです。

APL/Lidって何? APDとLiDに違いはある?

海外ではLiD(Listening difficulties)と言われており、日本でも聞き取り困難症/聴覚情報処理障がいとして(LiD/APD)と称されています。APDとLiDは、異なる名称ですが症状や意味は同じと考えて良いでしょう。

難聴との違いは?

難聴は音そのものが聞こえにくい状態のことをいいます。つまり、音が耳に入ってから脳に伝わるまでのいずれかの段階で障がいが起きることにより、聞こえないまたは聞き取りにくくなることです。

聴覚情報処理障がいは、音は聞こえているのに言葉が聞き取れない状態です。つまり、音が耳に入ってから脳に伝わるまでの段階は正常に伝達されているにもかかわらず、脳に伝わった情報を処理して”内容を理解する”ことが障がいされています。APDと診断するには、聴力そのものは正常であることが前提となります。

聴力に異常がある場合、聴力障がいによって聞き取れないのか、APDによって聞き取れないのかの判断が難しくなるからです。しかし、聴力検査で異常がないがために、APDの症状で悩んでいる人の多くが、「気にしすぎ」や「聞く気が無いだけ」と悩みを理解してもらうことができない現状にあります。

聞こえているのに聞き取れないってどういうこと?

例えば、初めて聞く歌の場合、メロディーや歌声は聞こえているけど歌詞が言葉として理解でき無い状態です。歌詞を見ながら音楽を聴くと歌声と言葉がリンクして聞き取りやすくなります。また、マスクをしていると何を話しているかわからないけど、マスクを外して口の動きをみながら会話すると話が理解しやすくなります。

APDの場合、いつも聞き取れないわけではありません。聞き取りにくい環境下にあるとき言語として理解することが出来なくなるのです。聞き取りにくい環境とは、

  • 騒音の中での会話
  • 複数の人が同時に喋っている状況
  • マスクや電話などで口元がみえない状態

などが挙げられます。そのため1対1の対面で話しているときは聞き取れることも多いです。これも「普段は聞こえているのに…」と悩みが理解されにくい原因のひとつとなっています。

APD(聴覚情報処理障がい)かもしれない?

自分は耳が悪いのかもしれないと思ったことはありませんか?日常生活や仕事をする中で一度で話を聞き取ることが出来ない。更にそれにより困っているにもかかわらず、聴力検査では異常と言われたことがないといった経験はないでしょうか。例えば、

  • 字幕が無いとテレビの言葉が聞き取れない
  • にぎやかな場所だと、人が話していることがわからない
  • 授業で先生の言っていることが理解できない
  • 電話だと相手の言葉が聞き取れない
  • 何度も聞き返すことがある
  • 聞き間違えていることが多い

このような経験がある方はAPD(聴覚情報処理障がい)の可能性があります。APDは、耳鼻科医の中でも知らない人が多い病気です。現状では一般的に知っている人はほとんどいません。

更に聴力検査では異常がみられないため、当事者がどれだけ悩みを抱えていても周囲の理解が得られにくい病気なのです。

APD/LiDの診断

APD(聴覚情報処理障がい)は認知度の低い病気ということもあり、実際に診断を受けている人も少ないのが現状です。しかしAPDかもしれないと感じている当事者の多くは、実際に日常生活や仕事で支障をきたしており、様々な悩みをかかえています。

APDの診断を受ける事で、周囲の理解を得られることができれば今抱えている悩みを少しでも軽減できるかもしれません。

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