自閉症(自閉症スペクトラム障がい:ASD)とは?特徴や当事者の思いを知る

凸凹村管理人

一般には自閉症で知られていますが、現在はアスペルガー症候群等を統合した【自閉スペクトラム症】の名称に変更されています。

特性としては「コミュニケーション・対人関係の不得意さ」と「行動・興味・活動に対する反復や固執等」が挙げられ、特性の強さには個人差があります。

自閉症とは

自閉症とは、自閉症スペクトラム障がい(ASD)であり、発達障がいの一種です。ASDは、社会的なコミュニケーションと行動に影響を与える広範な障がいを含みます。自閉症は生涯にわたる障がいであり、症状の重さや現れ方は個人によって大きく異なります。

自閉症の主な特徴

■社会的コミュニケーションの困難

  • 他者との目を合わせるのが苦手
  • 会話のキャッチボールが難しい
  • 非言語コミュニケーション(ジェスチャー、表情など)の理解が困難

■行動や興味の限定

  • 特定の物事に強い興味を示す
  • 同じ行動やルーチンに固執する
  • 感覚過敏または感覚鈍麻(音、光、触覚などに対する異常な反応)

自閉症の診断と評価

自閉症の診断は、専門的な評価を通じて行われます。通常、以下のような方法が用いられます。

  • 観察:子供の行動や相互作用を観察する
  • インタビュー:親や教師からの情報を収集する
  • 発達検査:発達の遅れや異常を特定するための検査を実施する

自閉症の原因

自閉症の正確な原因はまだ解明されていませんが、遺伝的要因と環境的要因の組み合わせが関与していると考えられています。例えば、特定の遺伝子の変異や妊娠中の母体の健康状態が影響を及ぼす可能性があります。

自閉症の支援と治療

自閉症は治療によって完全に治るものではありませんが、適切な支援や療育によって症状の改善や生活の質の向上が期待できます。以下は一般的な支援方法です。

■行動療法

  • 応用行動分析(ABA):ポジティブな行動を強化し、問題行動を減少させる療法
  • 社会技能訓練:社会的な相互作用やコミュニケーションスキルを向上させる訓練

■言語療法

  • 言語療法士による発語やコミュニケーションスキルの向上を目指す訓練

■作業療法

  • 日常生活の活動や感覚統合を支援する療法

自閉症と社会

自閉症のある人々が社会で成功し、充実した生活を送るためには、周囲の理解と支援が不可欠です。多くの企業や団体が自閉症に対する理解を深めるためのキャンペーンやプログラムを実施しています。また、教育現場でもインクルーシブ教育が推進され、自閉症のある子供たちが通常の学級で学ぶ機会が増えています。

対人関係の特徴

求めている時だけ関わって欲しい

自閉スペクトラム症の特性が強い場合は、対人関係のあり方が異なり、雑談等の会話を邪魔と感じたり、一人でいる時と変わらない行動を取ります。

自ら関わりを求めてくる状況としては、玩具やお菓子が欲しい時の欲求場面、不快と感じる物事(認知の偏りがあるので、一般的には不快とならないことでも不快を感じる)への回避場面等です。

興味のあることや楽しいことでの関わりは嫌いでない

手を繋がれてトランポリンに乗ったり、ブランコ遊びで背中を押されることは、当事者が興味を持っていれば受け入れ可能で、肯定的な関わりを持つ機会となります。知的能力が高い児童に対しては、鉄道やゲーム等の関心がある話題を提示することで、対人関係を深める機会となります。

自閉スペクトラム症の子供と関係を築く際は、本人が好む遊びや興味を探し、量より質の関わりを持つと喜ばれるはずです。

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