コミュニケーション障がいの特徴や原因は?症状や診断の種類についても解説

凸凹村管理人

「人と話をすることが苦手」「周囲とコミュニケーションを取ることに困難や苦痛を感じる」と感じる方は、コミュニケーション障がい(社会的コミュニケーション症)の可能性があります。

コミュニケーション障がい(社会的コミュニケーション症)は、言語障がいや語音障がいなどが原因で、会話のやりとりが上手くいかないという特徴があります。そのため、日常生活だけでなく社会生活でも影響が出るため、悩む方も少なくありません。

この記事では、医学上の診断名としてのコミュニケーション障がい(社会的コミュニケーション症)について、症状や原因、対処法をわかりやすく解説します。

コミュニケーション障がい(社会的コミュニケーション症)とは?

「コミュニケーション障がい(社会的コミュニケーション症)(※)」とは、なんらかの原因により人とのコミュニケーションに困りごとや苦痛が生じる障がいです。

(※)コミュニケーション障がいは現在、「社会的コミュニケーション症」という診断名となっていますが、最新版『DSM-5-TR』以前の診断名である「コミュニケーション障がい」といわれることが多くあるため、ここでは「コミュニケーション障がい(社会的コミュニケーション症)」と表記します。

例えば、「文章を上手く繋げることが難しく感じ、会話を続けることが困難に感じる」ことや「言葉を思ったように発することができない」などが挙げられます。

コミュニケーション障がい(社会的コミュニケーション症)には、症状によって以下のように分類されています。

  • 言語症
  • 語音症
  • 小児期発症流暢症
  • 社会的(語用論的)コミュニケーション症
  • 特定不能のコミュニケーション症

コミュニケーション障がい(社会的コミュニケーション症)の種類ごとの特徴・症状

コミュニケーション障がい(社会的コミュニケーション症)の症状には具体的にどのようなものがあるか、5つの分類別に特徴をご紹介します。

言語症・言語障がい

言語症・言語障がいがあると、話すことや書くことの習得や言葉の使用に困難が生じます。具体的な症状には下記のようなものがあります。

  • 使う語彙が限られている
  • 言葉の言い回しのパターンが少ない
  • 文と文をつなぐことが苦手
  • 文章の組み立てが上手くできない

このような症状から、相手に伝えたいことを上手く伝えることに困難を感じたり、苦痛に感じることがあります。

言語症・言語障がいの発症が確認できるのは、乳幼児期の頃からといわれています。しかし、実際には言語能力が安定する幼児期に診断されることが多いです。

また、個人差はありますが、幼児期移行に言語障がいと診断された場合は、大人になってからも症状が続く可能性があります。

語音症・語音障がい

語音症・語音障がいは、脳性麻痺や難聴などの身体的な障がいや神経学的な障がいがないものの、言葉をはっきりと発することが困難に感じる障がいです。

言葉のやりとりによるコミュニケーションが制限されてしまうため、日常生活だけでなく仕事においても支障が出ることがあります。

しかし、語音症・語音障がいは、正しい治療をおこなうことによって改善する可能性もあります。

小児期発症流暢症・小児期発症流暢障がい(吃音:きつおん)

小児期発症流暢症・小児期発症流暢障がいは、吃音(きつおん)とも呼ばれています。会話中にみられる特徴は下記のようなものが挙げられます。

  • 言葉の一部分を繰り返す
  • 言葉が不自然に途切れる
  • 最初の言葉が出にくい
  • 苦手な言葉を避けるために、遠回しな言い方を使う
  • 言葉を発するときに体が緊張している など

吃音は子どもの頃に発症しますが、大人になってもその症状が続くことがあります。

社会的(語用論的)コミュニケーション症・社会的(語用論的)コミュニケーション障がい(社会的コミュニケーション症)

社会的(語用論的)コミュニケーション症・社会的(語用論的)コミュニケーション障がい(社会的コミュニケーション症)は、非言語コミュニケーションを状況に合わせて使い分けることが難しい状態を差します。

非言語コミュニケーションとは、顔の動きや声のトーン、しぐさなど、言葉以外の手段を使った意思疎通方法のことです。例えば、下記の特徴があります。

  • 比喩やユーモアがわからない
  • 相手に合わせて言葉遣いを変えることが困難に感じる
  • 相手が何を言いたいのか察することに困難を感じる
  • 挨拶や情報共有などが困難に感じる など

一般的には、3歳頃から発症が確認できるといわれていますが、社会に出てから症状に気が付く方もいらっしゃいます。

特定不能のコミュニケーション症・特定不能のコミュニケーション障がい

前の項目でご紹介した4つの障がいにあてはまる症状は見られるものの、完全には診断基準を満たさないケースがあります。

上記の場合は「特定不能のコミュニケーション症・特定不能のコミュニケーション障がい(社会的コミュニケーション症)」に分類されることがあります。

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