多様化する障がい者の就労支援!障がい者が働く「就労継続支援B型事業所」

凸凹村管理人

障がい者が働く「就労継続支援B型事業所」では、いま様々な新しい仕事が生まれ、障がい者がいきいきと働く姿が見られます。

障がい者が従事する仕事として、パンやお菓子作りを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、次のような仕事を想像できますか?

  • ベトナム料理に欠かせない香草の栽培
  • 新たな食料として注目されるナマズの養殖
  • 動画制作をしながらeスポーツの選手を目指す

これらはすべて、静岡県内の事業所で行われている仕事です。現在、このような福祉事業所での仕事の内容は、非常に多様化しています。

障がいの特性は人それぞれ異なります。そのため、多くの事業所の中から、自分に合った前向きに働ける仕事を選ぶことで、就労のチャンスが大きく広がります。こうした多様な仕事を取り入れたユニークな事業所では、障がい者が生き生きと働いています。

豊かな香りに包まれる「パクチーファラン」の栽培者たち

静岡市駿河区の市街地に佇む農業用ハウスでは、普段目にすることの少ない珍しい野菜が栽培されています。その姿は、高さ15cmほどのみずみずしい株が密集し、その収穫物は、細長い葉です。

この特別な野菜とは、「パクチーファラン」。ベトナム料理には欠かせない香草であり、その名の通り、見た目は異なりますが、まるでパクチーそのものの香りを放ちます。麺料理フォーをはじめ、多くの料理において、彩りや風味を添える重要な役割を果たしています。

「パクチーファラン」の栽培は、2022年から始まりました。この栽培に携わるのは、発達障がいや知的障がいを抱える方々で、静岡県内のハウスを運営する福祉事業所に通う利用者たちです。彼らは、1枚1枚丁寧に葉を摘み取る作業を手作業で行います。この作業には、2~4.5時間かかり、その間、カゴが葉で一杯になる光景が続きます。

障がい者の社会参画を促進する重要な取り組み

このような新しい仕事は、彼らにとっては大きな挑戦です。以前は、食品の容器詰めや縄跳びの組み立てなど、いわゆる「内職」を行っていました。しかし、この「パクチーファラン」の栽培によって、彼らは外で働く機会を手に入れ、自信をつけることができました。

このような農業分野での活動は、「農福連携」として知られ、障がい者の社会参画を促進する重要な取り組みです。静岡県内では、約9100人が利用する「就労継続支援B型」の福祉サービスが提供されています。

障がい者とナマズが紡ぐ「農水連携」の物語

湖西市に佇む古い倉庫は、住宅地の中にひっそりと佇んでいます。しかし、その中では静かなる革命が起こっています。大きな水槽が並び、そこでは陸上養殖が営まれています。この場所は、海や川から孤立し、清浄な水を使って養殖される独自の世界です。そして、そこで飼われているのは、東南アジアでよく食べられる「ヒレナマズ」と呼ばれる魚です。

驚くべきは、この養殖場の運営主体です。それは医療法人のグループであり、福祉事業所を運営する団体なのです。この養殖場で働くのは、精神や発達に障がいがある人々です。この場所での仕事は、福祉事業所の一環として提供され、彼らが自己成長を遂げる機会となっています。

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