「ニューロダイバーシティが企業経営を左右する」企業経営における多様性とイノベーションの源泉

凸凹村管理人

早稲田大学の入山章栄教授は、「ニューロダイバーシティが企業経営に与える影響」をテーマに講演を行いました。彼は、発達障がいやその他の精神疾患を脳の特性の違いとして捉え、これを尊重するニューロダイバーシティの重要性を強調しました。

日本では依然として、ニューロダイバーシティが障がい者雇用促進策の一環として見られがちですが、入山教授はこの概念が単なる雇用対策を超え、企業のイノベーション創出に不可欠であると述べました。

彼の主張によると、多様な神経特性を持つ人々が集まることで、企業はより斬新で革新的なアイデアを生み出すことができるということです。このような多様性が尊重される職場環境を整えることが、今後の企業経営にとって極めて重要であると彼は語りました。

経営戦略の中でニューロダイバーシティをどう位置付ければよいのか

入山章栄氏は、ニューロダイバーシティは今後の経営の在り方を大きく揺さぶる概念だと考えています。経営学の視点からすると、多様な考え方はイノベーションの源泉となります。

新しいビジネスモデルを生み出し、企業経営にプラスの効果をもたらすのが多様性であり、ニューロダイバーシティもその多様性の一つの次元です。すでに海外のIT企業では、ニューロダイバーシティ推進が大きな潮流になっています。

ラジオ番組で精神科の医師に指摘されたADHD

実は、私自身も注意欠如・多動症(ADHD)のようです。「ようです」というのは、これまで医療機関を受診したことはないのですが、あるラジオ番組で精神科の医師に指摘されたためです。確かに言われてみれば、年に一度は必ず財布やスマートフォンなどを失くしますし、時計はあまりに紛失するのでもう着けるのを諦めています。

時計を腕にはめ続けることができず、知らず知らずに外してしまうんですね。これは典型的なADHDの特徴だそうです。またそれより前にも、ある専門家から「入山先生はADHDだと思う」と言われたことがあり、その時は物を失くしてばかりいる自分自身への理解の一助となり、ショックはなくて、むしろ「なるほど」と納得する気持ちの方が強かったですね。

周囲は「ただの不注意な人」と受け止めている

物を無くしてばかりなので妻にはよく怒られますが、大学教授という職業なら、周囲は「ただの不注意な人」と受け止めてくれています。軽度ということもあり、ADHDの特性があっても、あまり困ることはありません。

こうした自分の経験もありますし、発達障がいには、その傾向に強弱があると聞いています。素人の極論ではありますが、実は「完全に普通の人」などこの世にいないのではないでしょうか。人には個性があるのだから、脳にも違いがある。程度の差こそあれ、「誰もが発達障がいとも言えるのでは」とすら感じます。

病気かどうかの解釈は周囲の受け止め方に左右

多様性だけではイノベーションは生まれないとされる中で、発達障がいの特性についても論じられています。発達障がいを持つ人が自らや周囲で問題にならない場合、診断基準を満たさないため、病気とはみなされないことがあると述べられています。そのため、病気かどうかの解釈は周囲の受け止め方に左右されると指摘されています。特に軽度の発達障がいでは、このような傾向がよく見られるとされています。

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