身体障がい者手帳は、障がいを持つ方が必要な支援やサービスを受けるために欠かせないものです。この手帳の等級は、障がいの程度に応じて1級から4級まで設定されており、それぞれの等級によって受けられる支援内容も異なります。本記事では、小腸機能障がい、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がい、肝臓機能障がいの等級について詳しく説明し、各等級に該当する具体的な状態や、日常生活での配慮ポイントについても解説します。これを通じて、障がいを持つ方々への理解とサポートの一助となれば幸いです。
小腸機能障がい
小腸機能障がいの等級は、以下のように1〜4級まで(2級はなし)となっています。
小腸機能障がいの等級
1級 | 小腸機能障がいにより、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの |
2級 | 該当なし |
3級 | 小腸機能障がいにより、家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの |
4級 | 小腸機能障がいにより、社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
参考:厚生労働省「身体障がい者障がい程度等級表」
1級の「日常生活活動が極度に制限される」とは、栄養維持が困難で、推定エネルギー必要量の60%以上を、心臓近くの太い血管に高濃度の栄養剤を投与しなければならない状態です。具体的には、以下のいずれかに該当します。
- 疾患等で小腸が切除され、残存空・回腸が手術時、75cm未満になったもの
- 小腸疾患により、永続的に小腸機能の大部分を喪失している
参考:東京都福祉局 東京都心身障がい者福祉センター「障がい種類ごとの基準(8)小腸機能障がい」
小腸機能障がい者への配慮ポイント
3級や4級の場合であっても、ゼリー状のものしか食べられないなど食事制限が必要になります。食事制限があることを理解し、食事会や飲み会についても参加を強要しないようにしましょう。小腸機能障がい者への配慮ポイントは、以下の通りです。
- 定期通院できるように配慮する
- 過度な肉体労働を避ける
- トイレに行きやすいように配慮する
- 食事やお菓子、アルコールなどを強要しない
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がい
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいの等級は、以下のように1〜4級までとなっています。
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいの等級
1級 | ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいにより、日常生活活動がほとんど不可能なもの |
2級 | ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいにより、日常生活活動が極度に制限されるもの |
3級 | ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいにより、日常生活活動が著しく制限されるもの(社会での日常生活活動が著しく制限されるものを除く) |
4級 | ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障がいにより、社会での日常生活活動が著しく制限されるもの |
参考:厚生労働省「身体障がい者障がい程度等級表」
等級は、13歳未満か13歳以上か、年齢によって判定方法が変わります。13歳以上の場合、1級の「日常生活活動がほとんど不可能」とは、以下のいずれかに該当するものです。