「新しいことに挑戦」筑波技術大学:聴覚障がい・視覚障がい者、唯一の国立大

凸凹村管理人

2024年度、筑波技術大学の入学式が、聴覚障がい・視覚障がいを抱える学生たちのための特別な日として、感動と希望にあふれました。茨城県つくば市の天久保キャンパスで開催されたこの式典には、大学院生を含む81人が新たな一歩を踏み出しました。手話と唇の動きで式辞を述べる石原保志学長の姿が、学生たちに勇気と力を与えました。

聴覚障がい者向けの産業技術学部、視覚障がい者向けの保健科学部

筑波技術大学は、聴覚障がい者向けの産業技術学部と、視覚障がい者向けの保健科学部を有し、現在の学生数は計321人にのぼります。

入学式では、学長が学生たちに向けて、自らの意思でこの大学を選んだことの重要性を語りました。社会で成功するためには、自らの意志で壁を乗り越える覚悟が必要であるとのメッセージが、熱い拍手と共に伝わりました。

「新たなことに挑戦していく」

学生たちは、少人数教育の環境で成長し、お互いの能力を高め合うことが期待されています。新入生の一人、聴覚障がいがある仲田恭乃さんは、入学式で「多様な考え方を育て、コミュニケーション能力を高めたい。共生社会が求められる今、私たちは新たなことに挑戦していく」と誓いました。彼らは、自らの夢や目標に向かって、決意を新たにしてキャンパス生活をスタートさせました。

「4年間で将来の方向性を見極めたい」

2024年度の筑波技術大学入学式には、視覚障がい者の白浜琥太郎さんが保健科学部を代表して参加しました。横浜市金沢区出身の彼は、人に何かを教えることが得意で、中学生の頃から数学教師を目指していました。しかし、筑波技術大学の存在を知り、他の道もあるのではないかと考えるようになったといいます。彼はこの4年間で将来の方向性を見極めたいと語りました。

介助者をつけることなく学業に専念できる環境を提供

筑波技術大学では、手話と口話でのコミュニケーションが当たり前のように行われています。産業技術学部の若月大輔教授は、他の大学と異なり、障がいのある学生に介助者をつけることなく、学業に専念できる環境を提供していると述べています。彼は教える側として、聴覚障がいのある学生が本当に理解したかを問い返す配慮を行っています。

買い物ができるように「脳内地図」を描く

視覚障がいの学生たちは、触覚や聴覚を重視して学びます。寄宿舎での生活を始める際には、まずは買い物ができるように「脳内地図」を描くことから始めます。彼らは大半の教科書を点字で使用し、学業に取り組んでいます。

聴覚障がい者の国際スポーツ大会「デフリンピック」

さらに、来年11月には東京都内で開催される聴覚障がい者の国際スポーツ大会「デフリンピック」で、筑波技術大学の学生がデザインしたエンブレムが採用される予定です。若月教授は、この大会を通じてデフリンピックの社会的認知を高め、成功させたいと期待を寄せています。

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