障がい者差別解消法の施行に伴う企業の対応:合理的配慮の重要性と課題

凸凹村管理人

4月1日に施行された「改正障がい者差別解消法」により、障がいのある人への合理的な配慮が民間事業者にも義務づけられることから、都内のIT関連会社では、障がい者に配慮した接し方を学ぶ研修会が開催されました。この会社は、東京・品川区に拠点を置き、企業向けの会計ソフトなどを提供しています。研修には、営業担当を含む約40人が参加しました。

会話ができない状況でのコミュニケーションを体験

研修では、声に障がいのある人への理解を深めるため、参加者は口にマスクを装着し、会話ができない状況でのコミュニケーションを体験しました。また、パソコンに文字を入力すると音声で読み上げるソフトなど、様々なツールを活用して意思疎通を図りました。

その後、合理的な配慮の方法について意見を交換し、例えば、聴覚障がいのある人が訪れた場合には社内で手話ができる社員を特定し、対応策を検討しました。

30代の社員は、「人によって必要な情報や支援が異なると思うが、できる限り多くのツールを活用して対応したい」と述べました。

「何らかの成果に結びつく可能性」

この研修を企画した中根雅文さんは全盲であり、「改正法の施行によって社会が急速に変化することはないかもしれませんが、中長期的には何らかの成果に結びつく可能性があると思います。また、当事者がこの法律を契機に、自らの権利を意識し、社会の変革を求めるようになることも期待されます」と述べました。

この会社では今後も定期的に研修を行い、障がい者のニーズに適切に対応できるよう体制を整えていくことが目指されています。

障壁を解消するための具体的な配慮

4月1日に施行された「改正障がい者差別解消法」は、国や自治体にとどまらず、民間の事業者にも障がいのある人への「合理的配慮の提供」を義務づけます。

この法律における「合理的配慮の提供」とは、障がいのある人が社会生活を送る際に直面する障壁を取り除くための行動を指します。たとえば、段差がある場合にはスロープを設置するなどの補助措置や、筆談時に大きな文字を使うなど、障壁を解消するための具体的な配慮が含まれます。

障がいのある人と事業者が対話し解決策を共に検討することが重要

ただし、この配慮は事業者に負担がかかりすぎない範囲で行われるべきです。法律に違反することなく、飲食店が介助を求められた場合に断ることも認められます。しかし、個別の事情を無視して一律に対応を断ることや、漠然としたリスクを理由に対応を拒否することは避けるべきです。

違反行為を繰り返した場合には、国からの報告や指導、勧告を受ける可能性があります。内閣府は、障がいのある人と事業者が対話し、解決策を共に検討することが、社会的な障壁を取り除く上で重要であると強調しています。

企業や個人が積極的に配慮を行うことが求められる

このような法改正によって、社会全体がより包括的かつ包容的な姿勢を持つことが期待されます。障がいのある人々が自由に社会参加できる環境を整えるために、企業や個人が積極的に配慮を行うことが求められるでしょう。また、法律に関する質問や障がいを理由とする差別に関する相談窓口を設置していて、電話やメールで受け付けています。

障がい者差別に関する相談窓口「つなぐ窓口」

  • 電話相談 0120-262-701(午前10時~午後5時 祝日除く)
  • メールでの相談 info@mail.sabekai-tsunagu.go.jp

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