新入社員が非難されやすい「適応障がい」の特徴とは?ストレスからの解放への道

凸凹村管理人

「新入社員が非難されやすい『適応障がい』の特徴とは?」―そう問いかけるのは、精神科医であり、1万人以上の悩みを解決してきたいっちー氏です。

彼の著書『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」といった感情のコントロール方法がまとめられています。本記事では、その一部を抜粋・編集し、新入社員が自分を変えていくための方法に焦点を当てます。(構成/種岡 健)

ストレスが増大して心身に影響を及ぼす

4月はどんな人でも変化の起こりやすい時期です。それゆえに、病みやすいリスクのある時期でもあります。変化によって引き起こされる可能性のある病気、「適応障がい」について共有したいと思います。この知識は、様々な予防策に役立つことでしょう。

適応障がいとは、環境への適応が難しく、ストレスが増大して心身に影響を及ぼし、生活に支障をきたす状態を指します。

うつ病のように心身に症状を引き起こす

環境の変化によって引き起こされる問題であるため、「甘えているだけ」「性格の問題」として扱われることもあります。その結果、本人が相談できずに放置され、解決が難しくなってしまうことがあります。

適応障がいは、以下のようなストレスによって心身の不調が現れます。

  • 心の症状:気分の落ち込み、不安感、モチベーションの低下、集中力の低下、記憶力の低下
  • 身体の症状:不眠、食欲不振、仕事への行く際の動悸、吐き気、めまい、手の震え
  • 行動の変化:飲酒や喫煙量の増加、イライラや暴力的な行動、休日でも仕事のことばかり考える

以上のように、適応障がいはうつ病のように心身に症状を引き起こします。

適応障がいは「ストレス」が原因

個々人によって感じるストレスは異なりますが、仕事や家庭、学校などの日常生活におけるストレスが適応障がいを引き起こします。このようなストレスは、生活や環境の変化によってより顕著になります。

たとえば、突然の単身赴任によって家族と離れなければならなくなったり、友人との離別が生じる中学から高校への進学など、環境の変化が起こりやすい状況があります。

良い変化とされる出来事でもストレスの要因

また、新しい職場への移動や、結婚や昇進など、他者から見れば良い変化とされる出来事でも、本人にとってはストレスの要因となり得ます。

こうしたストレスによって、憂鬱な気分になったり、体調を崩したり、不安を感じやすくなったりすることで、環境への適応が困難になり、適応障がいが生じるのです。

関連記事

  • 障がいを持つ人々にも活躍の場を!日本の精神医療の現状と課題 海外の新しい科学的発見をも無視する日本の医学界

  • 国内最高齢の女性監督が映画を通して伝えたいこと「92歳、原動力は怒り。命を奪い、差別する社会は今も変わっていない」

  • 身体障害者手帳の等級一覧│視覚障がい、聴覚または平衡機能の障がい者手帳の等級による支援サービスの重要性

  • 全盲の柔道家「右手で相手を読む」土屋美奈子選手の挑戦と成長 目指すはパラリンピック・パリ大会