3重の障がいを抱える女性の、働くための人知れぬ努力 企業側に必要な「合理的配慮」とは

凸凹村管理人

従業員40人に1人の割合で、障がい者を雇用することが法的義務とされています。この法定雇用率は、企業全体の雇用者における身体、知的、精神障がい者の比率を示しています。そして、この4月、その割合が2.3%から2.5%に引き上げられました。政府は段階的に雇用率を引き上げる方針であり、2026年には2.7%に達する予定です。障がいを持つ労働者の定着や戦力化に向けて、どのような取り組みが必要でしょうか。

「きちんと会社の力になれる」

福岡県久留米市出身の筒井華菜子さん(34歳)は、障がいに対する負い目を一切持たず、「自分の努力次第で、きちんと会社の力になれる」と胸を張っています。

彼女は生まれつきの脳性マヒにより、全身が動きにくく、伝い歩きしかできない状態です。移動には電動車いすが必要であり、同じ姿勢を長時間保つことも難しい状況です。

「健常者の同期に負けたくない」

筒井さんは障がいを乗り越え、北九州市立大学の外国語学部を卒業しました。地元の住宅設備メーカーで契約社員として働き始め、製品の輸出入に関わる英文書類の作成や翻訳などの業務に従事しました。

「健常者の同期に負けたくない」という思いから、彼女は残業も惜しまず、精力的に働きました。しかし、3年目に壁にぶつかります。新人扱いが終わり、仕事の速さが求められるようになりました。

発達障がいが判明

筒井さんは両上肢にもマヒがあり、パソコンの操作に時間がかかる状況です。会社側もその事情を理解していましたが、「もっと頑張れ」との圧力がかかりました。深夜までの作業でも締め切りに間に合わない案件が増え、焦りや不安が募りました。細かなミスも相次ぎ、上司からの叱責も絶えませんでした。

この時期、彼女は発達障がいも判明し、精神的にも落ち込み、業務にも影響が出る負のスパイラルに陥りました。最終的には会社から雇い止めに遭うこととなりました。

障がいに向き合う

ハローワークを経由して、筒井さんは地元の大学で事務補助員としての仕事を見つけました。雇用期間は有期であり、賃金は低かったものの、仕事の内容は非常に充実していました。彼女の高い語学力を評価され、研究者が海外の大学や企業と共同プロジェクトを始める際の契約業務を任されました。これにより、彼女の気持ちも上向きになり、障がいに対して少しずつ向き合うことができるようになりました。

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